勉強会3
6月30日(木)
勉強会を行いました。
今回は、難民受け入れ国側のヨーロッパに焦点を当てて行いました。
これまでの勉強会では、難民自身や難民の援助・支援側の視点から見てきたため、
受け入れ国側の現状や考え方も知るべきだと感じ、ヨーロッパをテーマとしました。
まず、シェンゲン協定などの基礎知識を確認した上で、
『NHKスペシャル<シリーズ 激動の世界>第1回「テロと難民~EU共同体の分断~」』を鑑賞しました。
難民の受け入れについて、賛成派と反対派の双方の考え方を確認し、
ボーダーレスの1つのヨーロッパを目指してきたEUが大きく揺れていることを理解しました。
その上で、難民受け入れはどうあるべきであるか?という大きな問いについて意見を出し合いました。
経済的に苦しくなってきたからこそ、ナショナリズムが高まり、受け入れ反対派が増加してきていることや、
少数派になりたくないからこそ反対している、などの原因が考えられますが、
どう進んでいくべきか、という方向性を考えるのは難しい問題であると感じました。
現状の個々の国家に属するナショナリズム(アイデンティティ)を、
まずはヨーロッパ人に引き上げていく過程が必要ではないか、という意見が出ましたが、
具体的な方策はなかなか出ませんでした。
今回の映像で、出席者の中で印象に残ったこととして、「テロと難民を混同してはいけない」という言葉がありました。
この混同は、メディアの報道によって、また、固定観念によって起こってしまう、
刷り込みのようなものではないか、という意見が出ました。
そして、その解決には批判的思考力(クリティカル・シンキング)が非常に大切であると考えられます。
こうした情報の自己判断(メディア・リテラシー)の能力を鍛えるためにも、
様々な局の報道・他国の報道などを比較することもこれからの勉強会に取り入れていくつもりです。